腎臓の働きを簡単にいってしまえば尿を作ることです。
しかし、そこには人体の機能を正常に保つための隠れた重要な役割があるのです。
腎臓は老廃物を排泄する
尿は体にとって不要となった物質です。
腎臓は血液から余分な水やナトリウム、そして代謝によってできた老廃物を濾過しているのです。
尿は1日に約1.5~2Lが排泄され、その成分のほとんどは水分ですが、約4~6%の固形成分が含まれています。
固形成分のうち約半分はたんぱく質を利用したときにできる老廃物の
尿素です。
そのほか、塩化ナトリウムやカリウム、アンモニア、尿酸、クレアニチンなどが含まれています。
もし、腎臓の働きが悪くなって人体に悪影響を及ぼす老廃物が体外に排泄されなくなると、
尿毒症を起こしてしまうのです。
腎臓は塩酸基平衡を調節する
腎臓は塩酸基平衡を調節する働きをしています。
人体は常にpH7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれるように調整されているのですが、この役割をしているのが腎臓なのです。
弱アルカリ性に保つことは人体にとって非常に大切なことで、もしこの塩酸基平衡が崩れて酸性に傾いてしまうと、細胞や酵素がうまく働かなくなって多くの器官に深刻な影響を与えてしまいます。
もし腎臓が十分働かなくると、血液中に酸が多すぎる状態の
アシドーシスとなったり、塩基が多すぎる状態の
アルカローシスになったりします。
腎臓は血圧を調節する
腎臓は血圧を調整する働きをしています。
血圧と関わりのあるのは水分とナトリウムです。
血圧が上昇すると、腎臓は水分とナトリウムを排泄するように働き、血液量を減らして血圧を正常値に低下させます。
逆に血圧が低下すると、腎臓は水分とナトリウムの排泄を抑えて、血液量を増やし、血圧を正常値に上昇させます。
また、血圧を上昇させるために腎臓はレニンという酵素を分泌しています。
ですから、腎臓の働きが悪くなると、血圧のコントロールに支障がおこります。
PR