慢性腎不全の症状が進行して腎臓で老廃物を尿として体外に排泄できなくなると、血液中に老廃物が溜まってきて尿毒症を起こします。
食事の制限や薬でコントロールできないくらい腎不全の末期の症状になってしまうと、人工透析治療が必要不可欠になってきます。
人工透析をしなければならなくなる腎不全の進行具合を具体的な数値でいいますと、
血清クレアニチンの値が
8mg/dl以上になった場合です。
人工透析には血液透析と腹膜透析の2つの方法がある
人工透析は本来腎臓が行っている血液の濾過を人工的に行う治療法で、血液透析と腹膜透析の2つの方法があります。
最もよく行われているのがダイアライザーと呼ばれる人工腎臓を用いた血液透析です。
ダイアライザーはまず血液を体外に取り出して、ダイアライザー内に血液を送ります。
ダイアライザーには腎臓と同じように老廃物を濾過する人工の透析膜が張られてあり、ここで血液中の老廃物が透析膜を通って透析液側に捨てられて血液をきれいにします。
そして、きれいになった血液を再び体内に戻してあげるのです。
ダイアライザーによる人工透析は、通常週3回行わなければならず、また一回に要する時間が3~4時間かかるため、かなりの時間的な制限を受けてしまいます。
一方、腹膜透析はお腹の器官を覆っている腹膜という膜をフィルター代わりにして老廃物を濾過する透析治療法です。
バッグに入った透析液を、カテーテルを通して腹膜に注入すると、血液中から老廃物が腹膜を通して透析液中に濾過されてきます。
一定時間透析液を腹膜にとどめておいて老廃物が溜まると、透析液をバッグに戻します。
腹膜透析のメリットは、ダイアライザーによる透析のような時間的制限を解消できることです。
バッグを体に装着して透析治療をしながら、仕事や家事を行うことができます。
ただし、カテーテル挿入付近で感染を起こすことがありますので注意が必要です。
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